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桐の火鉢一対（波ウサギ模様）
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直径約25cm（中央部分）、高さ約21cm、重さ約1.2kgと1.3kgです。本体の比重が約0.3と非常に軽く、表面の模様からも桐製の火鉢一対（2個）です。表面に兎の絵と「竹生嶋」という文字があります。
祖母が使っていたので、戦前のものでしょう。一度、桐灰と木炭を買って、停電時の暖房に使えるか試しました。最近は花や植物を置くのに使う人が多いようです。火鉢には象嵌が施されてあり、「竹生嶋（ちくぶしま）」という文字と、表に白兎、裏に金色兎が見えます。兎は銀の上に金メッキをしたように見えますが、分析していません。象嵌の一部に小さな凹みがあり、土台の桐も使用感があります。
象嵌の絵は「波ウサギ」で、江戸時代から縁起の良い模様とされていました。元々は、謡曲（能）の「竹生島」の一節に「緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり、月海上に浮かんでは 兎も波を奔る（はしる）か 面白の島の景色や」とあり、月夜の海の波の上を兎が飛び跳ねる、という情景を詠んだものです。この能は、琵琶湖に浮かぶ竹生島が舞台で、弁才天や龍神が現れ、今も竹生島は神秘的で神聖な場所とされています。